会社を辞めるとき、または辞めさせられるときに出てくる「退職通知書」や「退職予定通知書」。
言葉は似ていますが、「自分から出す」ときと「会社からもらう」ときでは意味が大きく変わります。
今回は、この2つの書類について、出す場合・もらう場合の両面からわかりやすく解説します。

ちなみに退職届は、労働者が会社に対して「退職します」という意思を正式に伝えるための文書です。
会社によっては退職通知書と同じ意味で使われることもあります。
いろいろ知らないと損する大事なポイントもあるので、ぜひチェックしてみてください!
🔹そもそも「退職通知書」と「退職予定通知書」とは?
まずは基本の意味を整理しておきましょう。
- 退職通知書:退職が「確定」したことを正式に伝える書類(強い効力)
- 退職予定通知書:退職を「予定」している、またはその方向で検討しているという書類(話し合いベース)
この2つは、出す側か、もらう側かによって内容や対応もまったく違います。
🧍♀️【自分から出す場合】退職の意思を伝えるとき
🔸退職通知書を出す
これは、自分の意思で「退職することを決めました」と会社に伝える正式な書類です。
例えばこのような文面を会社に提出
私○○は、一身上の都合により、令和○年○月○日をもって退職いたします。
📌出すときの注意点
- 退職日を明確に書く
- 一度提出すると撤回は難しい
- 就業規則で「退職は○日前までに申告」などのルールを確認
🔸退職予定通知書を出す
まだ退職日は決まっていないけれど、「退職の意思がありますよ」と事前に伝える書類です。
例えばこのような文章を会社に提出
○月末を目処に退職を予定しております。今後の詳細についてご相談させていただきます。
📌こんな人におすすめ
- 引き継ぎの関係で退職まで少し時間がかかる
- まだ上司と調整したい点がある
- やんわり伝えておきたいとき
🏢【会社からもらう場合】突然渡されたときの対応法
🔸退職通知書をもらった
これは会社が「あなたを〇月〇日で退職とします」と一方的に通知する書類です。
いわゆる「解雇通知」や「契約終了通知」として使われます。
📌もらったときのチェックポイント
- 退職日と理由が書かれているか?
- 自分の意思に反して退職させられる内容か?
- サインを求められてもすぐに応じない
📝重要:退職理由によっては「会社都合退職」になり、失業保険の給付条件が良くなる場合も!
🔸退職予定通知書をもらった
こちらは「退職していただきたいと考えています」という“勧奨”の意味合いです。
会社としては辞めてもらいたいけれど、まだ話し合いの段階。
📌対応ポイント
- サインはせずに一度持ち帰る
- 拒否もできる(法的強制力はない)
- ハローワークや労基署に相談するのもアリ!
🔍一覧で比較してみよう!
視点 | 書類名 | 意味 | タイミング | 拒否・撤回 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
自分から出す | 退職通知書 | 退職の確定意思表示 | 退職日が決定した時点 | 原則不可 | 法的効力あり |
自分から出す | 退職予定通知書 | 退職予定の連絡 | 検討中・事前連絡 | 可能 | 社内調整に便利 |
会社からもらう | 退職通知書 | 会社による退職の確定通知 | 解雇・契約終了時 | 原則不可 | 失業保険に影響 |
会社からもらう | 退職予定通知書 | 退職をお願いする通知 | 話し合い段階 | 拒否可能 | 強制力はない |
✅受け取ったとき・出すときの注意点
出すときのポイント
- 退職日は明確に
- 提出前に就業規則を確認
- 証拠としてコピーや控えを残す
もらったときのポイント(特に納得のいかない解雇の場合)
- すぐにサインしない!
- 写真やコピーで内容を記録
- 内容に納得できないなら労働基準監督署やハローワークに相談
💬まとめ:書類の意味を知って、自分を守ろう
退職に関する書類は、出すのか・もらうのかで意味が大きく変わります。
- 自分から出す「退職通知書」は、強い意思表示
- 会社からの「退職通知書」は、すでに退職が決定された状態
- 「退職予定通知書」はどちら側でも“話し合いの余地あり”の予告的書類
焦ってサインしたり、内容を深く考えずに受け取ってしまうと、あとから後悔することも…。
正しい知識を持って、落ち着いて対応しましょう!
コメント